「論破する」って良いことですか? 女性との話し方17

「論破する」って良いことですか?
先日、知人のちょっとした集会で、話し方のミニ講演をさせていただきました。
「男性、女性の価値観から生まれて来る本音、欲で私たちの会話、コミュニケーションが成り立っているのですよ」
とお話しさせていただきました。
*緊急事態宣言が出されていない地域でのガイドラインに従いながら行いました。
その講演の最後に、ご質問をいただくのですが、
「今、若者世代に、『論破する』という言葉あるのですが、論破できるほど知恵がないですし、日頃のコミュニケーションで論破する方っていますか?『論破する』は良い言葉ですか?」
とありました。
ネットのインフルエンサーを中心に、「論破している人」多いですよね。つい前回まで書いていましたDさんも論破する人ではないでしょうか。
「論破する」は、男性心理です。
女性が好き好んで「論破したい」という人はいないでしょう。論破したいという本音、欲とは、「相手を打ちのめしたい」「競争したい」「征服したい」「相手を封じ込めたい」「押さえ込みたい」・・・など競争したいという男性ならではの心理です。
私が指導する話し方、コミュニケーションは、相手の話し方から、その価値観を理解し尊重してお互いを認め合いながら、仕事をしたり、日常を過ごしたり、買い物したり・・・というものです。
ところが、「論破する」というのは、自分の持論を展開するだけならまだしも、どちらかといえば、自分の意見で相手を封じ込めるというものです。相手の意見は全く聞き入れませんし、相手の価値観がどうなのかも考えてもいません。
これが日常の生活で心穏やかに過ごせるとは、言い難いですよね。
おそらく、会社では、要注意人物になったり、腫れ物扱いするようになったり・・・たとえ会議で見事に論破したとしても、仕事とは実践の成果あっての世界。「口先ばかりの男だ」と言われかねないでしょう。
また、女性との付き合いにおいては、女性側の意見など聞いてくれませんし、尊重するなどありませんから「ただただ面倒くさい男」に見えてきてしまいます。交際するには難しいのではないでしょうか?
日常で、論破する機会がどれほどあるでしょうか。
その論破した後には、何が残るでしょうか。