Q ご著書を拝読しました。ご著書にはセンスやコーディネイトという前に視覚情報や色の心理的な効果を理解する必要もあると書かれていました。集客においての「お客さまの目線」、注意点など、また、それに関するエピソードがございましたら、お教えください。
A 話の幅がかなり広いので、視覚を含めた五感を重視する建物について、少しコンパクトにさせていただきます。
集客をする上で、実際にお店や医院に来店されてからのお客さまの目線というものも大事です。
来店するまでも大事ですが、実際やってこられて、お客さまが気に入り、その後リピーターやファンとして再度、来店してもらうという意味で、建物の外観さらに内装は重要になってきます。
最近の病院や歯科医院は特にそうですね。「五感に働きかける施設」
というのを考えられている学会などもありますよ。
視覚は、たしかにウェイトが大きいのです。私の著書にもあるように、消費の点でも私たちは「見た目」、五感の中の視覚を重視して商品を買っているそうです。それは8〜9割。
病院や歯科医院は特に目的がなければいかないでしょう。
「痛み」や「緊張感」というものが私たちの中に必ずあります。本当に特別な事情がないかぎり行きたくないものです。
「見た目」視覚情報で、これらをときほぐす色の心理的な効果を使うことは、みなさまもご存知でしょう。
有名なのが、「ピンク色」ですよね。かわいい色と女性がいう、あの色は心理学的には「緊張感をほぐす色」とされています。多くの病院や歯科医院がピンク色ばかり使うと、これまたあまりおもしろみもかけるので、そんなに強くおすすめはしません。いろんな方々にうける色で「オレンジ色」を使用しているところもありますね。
他の五感はどうでしょうか?
歯科医院では、キーンと歯を削る音や子供がわーわーと泣く声が診察室から聞こえてくると、こちらも歯が痛くなってきます。さらに、ドキドキします。
小さい音ですが、「オルゴール」の音が静かにBGMで流れているところもあります。
においも大事ですね。
お香(おもいっきり線香ではないですよ。)をたいている歯科医院もありました。アロマですよね。
消毒などの特有のにおいを消して、緊張感をほぐしているのだと思います。
先日、ちょっと離れたところに、ある病院の建物がありました。最近できたのかどうなのか、わかりませんが、ここ最近になって目にとまった・・・といっていいでしょう。
「ピンク色」のドアなんです。おそらく、こちらの院長先生もひょっとして、私の著書か何かを参考にされたのかもしれません。
・・・なんとなく、患者さまが大勢来るという雰囲気でもなさそうなのです。駐車場にいつも、車が1台か2台。街中に近いので、この駐車場の多さはメリットです。(街中は、駐車場が問題で困る病院が多いですからね。)10台くらい、止められるところはそれだけでも、メリット。
だが、何かがおかしい!?
中に入ったことはないので、院内の対応とかそんなのはわかりませんよ。外観から見て気づいたことを書くと、
駐車場がさみしい感じがするのです。「寂れた」(さびれた)感がするのです。長い間、経営している飲食店のように外の植栽に手入れがされていない・・・。看板や建物が劣化と腐食がされている寂れたお店・・・。そんなところを連想させるような駐車場になっているのです。覇気のない状態になっています。特に、ピンク色のドアがきれいな分、駐車場の方とのバランスがとれてなくて、なんとなくおかしいと、目に留めるようになったのかもしれません。
どうすればいいのか?
職員の方々で手入れすれば、十分です。最近、安くてもおしゃれなテラコッタなどを使って、お花の力も借りたほうがいいでしょう。ガーデニングスペースや道路沿いにもプランターを置いてもいいとおもいます。女性は好きですからね。
ピンク色のドアにされているなら、「かわいい」演出もいいということです。ぜひ、お手入れをしてみてください。