「さよりちゃんも、10年たつと自分の仕事や自分のポジション、社会から与えられている役割、そこから得られる利益や収入・・・。そういうものが、ふっと腑に落ちてくる瞬間があるわよ。」
と人生の先輩である女性から言われたことがありました。10年を境に、自分の思った通りの仕事がきたり、スムーズに物事が流れていくのを感じるときがあると言われ、それをはげみに頑張り続けてきたでしょう。
例えば、当社の経営理念やスローガンで「女性らしさ」をかがげていますが、
これを1つとっても、以前はどこかうすらぼけていたかのような、借り物のような感じがしていました。自分の理想とする事業を出していますが、それをこなすのに精いっぱい・・・余裕のない日々がほとんど。年長者の男性経営者が、「自分のなかで『経営理念』が腑におちてきたとき、ほぼ仕事がうまく回りだした頃だよ。本当にぶれない、自分の中で確固たるものができたという証拠だよ。」
と言われたのも思いだします。
少し前にこちらのホームページで、点と点が結ばれ、線になる日がきた・・・と表現しましたが、まさにそれでしょうね。
と、長い前置きですが、若い女性からよく仕事の質問や起業してもよいのだろうか?という質問を受けるようになりました。
おそらく、女性の場合は半年くらいで軌道にのって・・・おそくとも2,3年でテレビの取材をうけたり、雑誌に載ったりしてモノになっているというイメージをされている方が多いと思います。
社会情勢が不安定な今、起業も難しいものです。本当に仕事が自分のなかで、納得するまでには10年かかります。それに耐えられるかどうか、です。この10年の間には、山と谷を嫌というほど経験しなければならないでしょう。経験しているからこそ、周囲から信用されるわけなのですが。
その間は逃げたくても逃げてはダメですし、恥もかくことが多いでしょう。周囲の反対もあるでしょう。やっていることの意味や崇高な目的さえも失うような局面に立たされ、自分の弱さも見るわけです。
自分が続けている意味や社会的な役割まで、自然にすっと「あれ!?」と思うくらいに理解する日がくるわけなのですが・・・。「もっとも自分らしい自分」こうありたいと思える自分に遭遇するまで10年かかるというわけです。
「やればできる」
と私も安易に起業や独立を勧めません。でも、10年頑張り続ければ、「あんなにもがくような苦悩や悩み・・・。」なんだったんだろうと思う晴れ晴れとしたときも、やってきます。
10年、コツコツとした努力、研鑽を続けた者にその晴れ晴れとしたステージが与えられるはずです。